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アロンの研究から。 恋愛関係維持に影響を与える要因として以下の条件をあげています。 1. 自分の利益が相手の利益と相互依存している場合 2. 現在の関係への投資が多く、その相手以外の代替的な関係から得られる利益が少ないと推測される場合 3. カップル間に協同の規範がある場合 4. 関係での二者の役割が適切で衝突しないものである場合 5. カップルがお互いに安定型の愛着スタイルをもつ場合 6. カップルがお互いを理想化している場合 では、それぞれの詳細をみていきましょう。 1.自分の利益が相手の利益と相互依存している場合 例えば恋愛中において男女共趣味が同じ等、お互いがお互いの欲求を満たしています。 自分と相手の利益が相互に依存しているため、関係は比較的維持されやすくなります。 自分が何かを行った場合に、それが相手の利益につながり、また、相手の行為が自分の利益につながるような場合、その関係は継続されやすいものとなるのです。 2.現在の関心への投資が多く、その相手以外の代替的な関係から得られる利益が少ないと推測される場合 恋愛関係を社会交換理論の視点からとらえています。 社会交換理論の立場では、恋愛関係にあるカップルはお互いの特徴や資質、また、その関係で行なわれる行為等のいっさいを、金銭や商品と同じようにカップル間でも売り買いしていると考えます。 そう考えた場合、個人の現在への関心への投資量が大きいほど、つまり、関係に対して労力や時間を費やしているほど、その関係から離れることはそれまでの労力や時間を放棄することにつながり、リスクが高くなるため、関係は維持されやすくなります。 また、現在の交際相手から得られる利益よりも、その相手以外の人と関係を結んだほうがより利益が得られると推測される場合には、関係は維持されにくくなり、反対に、現在の相手との関係よりも他に魅力的な関係が存在しないような場合には関係は維持されやすくなります。

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⇒1、2に出てくる「利益」とは、単純に金銭的、物質的なものだけでなく、関係から情緒的な安心感を得られることや、相手と一緒にいて楽しい等、心理的な報酬も含んでいます。 3.カップル間に協同の規範がある場合 カップルの間で共通の取り決めがあり、お互い守るべきル-ルを認識している場合等は、関係での葛藤は最小限に抑えられるため、関係の継続可能性は高まります。 4.関係での二者の役割が適切で衝突しないものである場合 カップルのお互いの役割が衝突しない場合、つまり、カップル間の役割が相補的である場合、関係は維持されやすくなります。 例えば、お互いがしゃべり好きで相手の話をほとんど聞かずに自分のことばかりをしゃべっているカップルよりも、片方はおしゃべり好きだが、もう片方は相手の話を聞くことを好むカップルの方が、役割が相補的であるため、関係は比較的継続しやすくなります。 5.カップルがお互いに安定型の愛着スタイルをもつ場合 安定型の愛着スタイルを持つ人は、恋愛関係への満足度が高く、また、関係葛藤時において適切な対処が行いやすいため、関係の継続可能性は高くなります。 6.カップルがお互いを理想化している場合 カップルの認知的な側面に関する条件であり、カップルどうしがお互いのことを実際よりもポジティブにとらえている場合、関係はより継続しやすくなります。 一般に、親密な関係では、相手やその関係について理想化された信念を形成しやすい傾向があり、このような現象はポジティブイリュ-ジョンとよばれています。 ポジティブイリュ-ジョンは、たんなる幻想にとどまらず、恋愛関係において、相手への信頼感をしだいに増加させ、また、関係葛藤を減少させるものであることが示されています。